『創世』と称えられたWORLD

創世。

惑星、録緑。

この世界は生まれ変わった。

とある星に、とある島があり、各国々があった。

そして……沢山の生物がいた。

その中に人間という不思議な生物が存在した。

ある時一人の人間は、《人間》に対し憎しみを抱き出した。
その者には愛する人もいた。

だが、憎しみの方が大きかったのだ……。

時が経ち、その者は、愛情と憎悪が心の中で葛藤するような生活を送り続けた。

彼はやがて愛人との接触も避け、一人で過ごすようになっていった。

彼は憎しみばかりが増え続けた。

とある日、彼の右手の甲に『一つの目玉』が刻まれるように、あった。
いや、生まれたとでも言うべきだろうか。



 

目玉の付近の皮膚が藍色に変色していた。

彼は仕事を辞め、家を出ていった。

そして海の近くに行き、そこにある、大きな森の中へと、足を踏み入れて行った。

彼は右手を空に向けるように、上に伸ばしてこう願った。


『私の憎しみと引き換えに、世界を滅ぼしてください』と。


時間の差などわからないくらいの出来事だった。


彼の願いは叶ったのだろうか。

彼の命、存在と共に、とある島の約四分の一は、生物、建物、食物、何もかもが跡形もなく消えた。残った島以外の、島までも消えたのだった。








。 

それは事件にしては大きく、人々にとって忘れ易く受け入れ易い事件だった。

人はそれからも生き続けた。


しかし。


とある事件が多数発生し始めた。

奇妙な姿をした生物、怪物とも呼ばれる生物が人を襲っているらしいとの噂が流れた。

人間の武器という物は、その時代では銃やナイフや斧など程度。

怪物には通用せず、襲われた人は跡形もなく消えたという。

それは喰われたのか殺されたのか、それすらわからない事件だった。



ただ、稀(まれ)に、事件を見たものが生還してくることもあった。

だが、言葉はまともに話せなくなってしまっていた。心が崩れる程のものを見てきたのだろう。

毎回、『化け物だ…嫌だ…死にたくない…』 こんな言葉が続く限りである。

そして病院送り、と。


事件が増えていき、とある森は、怪物の発生が多くなった。




 

一年後、大勢の人々が怪物を退治しようと武器を持ち、森へ行く。

しかし、その時に残ったのは子供一人という話し。

子供は、怪物に襲われ、死の危機を感じた瞬間、命の救いよりも武器を願ったのだ。

『こんなもの切り裂ける剣かナイフでもあればっ』と。


その時、少年は光る刀を手にしていた。

怪物が襲い掛かる瞬間、少年は叫びながら刀を真っ直ぐに突き刺していた。


その事件に関しては以上で、情報があまりない。

あるのは、『森の中で何かが発光した』ということだけだった。

その少年は行方不明になっている。


それから、人々は魔法みたいに、とある《力》を使えるようになった。

少年を例として、怪物と戦う時に武器を欲しがれば具現化する。イメージしたものが具現化というように。

その魔法は、武器だけではなく、工具なども生みだせるようになった。
しかし、それには人々の精神を必要とした。
時には命も。
不思議な力である。
人々はそれを『ソル』と呼んでいった。


 




 

一人の人間が憎しみで世界の形を変え、異変が起こり、人は変わった。時代も世界も………惑星、録緑は進化していったのだ。


学校、生活、職業、何に置いても、『ソル』を得たものが関連する。
学校では、『ソル』を上手くコントロールするような授業が行われるようになり、とも。
こうして、新しく生まれ変わった、世界の時が流れだした。

世界は、島が三つに別れ、それぞれに国境ができた。
そして世界の法は変わった。それぞれの国が、『ソル』を使用し始めた。


録緑の世界が変わってから………二年後、世界は更に変わった。新しい世界へと。
そして、『ソル』を使用する人間の世界となり果て、未だに怪物は森に現れる。
人は、怪物に様々な呼び名を与えた。その一つの名が、『レマル』。

全てに戻ると、惑星、録緑の世界を変えた元凶とも言えるべき、彼、いや、人間の名は、『シャル=アレクゼント』


そして彼の愛人と彼の間には子供ができていた。

その子の名は、『ユウ=アレクゼント』

その子は、この島で、世界で、生きていく。



変わってしまった世界の中で、彼ら進化した人々はまた世界を変えていく。


そう……この物語は…彼らに委ねられたのだ。









人々はこれを『創世』と歴史に記した。