物語。光・闇・真・創・ANGEL,STORY・ナエルの視 中編

この日記は読まない方が良いです。





神は、聖天使であるラルとナエルの二人だけを人間界に送る。
二人の役割は人間界に降り、生命の在りのままと成り行きの情報を神に提供すること。
また、人間界をさ迷う魂の心残りや念の解放。
など。
自然や人間や動物に手を出したりはしてはいけない。
それに関しては見守るだけしかできない。
それをずっと二人は続けてきた。
そして時に、神界から人間界に降りる通間の中で ナエルはラルに相談した。


ナエル 『ラル、人の悪を許せないと思う俺は間違っているのだろうか?』

ラル 『間違いとか正しいとかは僕にはわからない。ただわかるのは、君は正義感と優しさが強過ぎるんだよ。』

ナエル 『そうか。』

ラル 『あまり悩まない方が良い。君まで黒に染まるよ? そしたら二人の友人と想い人が悲しむじゃないか。』

ナエル 『すまん。もうすぐ人間界だな…。』

ラル 『ああ。じゃあまた。』


二人の聖天使の役割は同じ。しかし、行動は別々に行っているので途中で別れる。


時に、ナエルとラルは神であるサーネルのところに役割の為、向かった。役割を終え、そして……


ナエル 『神よ、話しをさせて頂きたく思います。よろしいですか?』

サーネル 『解しよう。』

ナエル 『ラル、外してい頂けますか?』

ラル 『………わかりました……』



ナエル 『神よ、人の悪態に対してどうお考えですか?』

サーネル 『私は見守るだけだ。あちらの世界に干渉はしない。』

ナエル 『自然は汚されています。
人が人を、動物を、物を意思を持って傷つけています。欲望の種数も増しています。以前とは状況が違います。それでも見守るだけなのですか?』

サーネル 『そうだ。考えればわかる筈だ。我らに手出しをする術はない。そして干渉してはならない。すれば世界の流れが乱れる。我らはただ、彼らに時を与えることしかしてはならない。
後は魂に対しての行動だ。』

ナエル 『私には……見守るだけなど…出来ません。堪えることが出来ません。』

サーネル 『ナエル、我を失うな。おまえは自然と平和を愛し過ぎている。限度を弁えろ。黒に染まってしまうぞ。おまえにはミエルがいるじゃないか。』

ナエル 『今の私は…あなたの考えにお応え出来ないようです。申し訳ありません。失礼します。友人なら理解してくれると思っていましたが。』


ナエルは去る。


サーネル 『理解しているからこそなのだがな。もはや時は運命られたか。』


何がさだめられたのだろうか。
定めと運命の違いは何か。
読みは同じなり。
『うんめい』を時に『さだめ』と読むことがあるらしい。

ナエルが去った後、ラルは神のところへ出向いた。


ラル 『神よ、私からよろしいでしょうか。』

サーネル 『解しよう。』

ラル 『お二人の通話は聴こえました。あれでよかったのですか?』

サーネル 『ああ。私なりの応えで。彼なりの応えだ。問題ない。』

ラル 『そうですか。それと、何故私の心中にお二人の通話を流し込んだんですか?』

サーネル 『君は聴いておいた方がよかったからな。』

ラル 『そうですか。あなたなりの考えがおありなのですね。あと、運命とはどういうことですか?』

サーネル 『いずれわかる。』

ラル 『今は教えて頂けないのですね。』

サーネル 『答えは自分で見つけるもの、という時もある。』

ラル 『わかりました。では、失礼します。』


時は流れた。


ミエル 『……時が…来たのですね。』

ナエル 『こんな結果になってすまない。私は君よりも自然と平和を愛したようです。』

ミエル 『そんなあなただからこそ私はあなたを想いました。ですから、あなたがどのような行動をとろうと私はあなたを信じます。私は時を見据えますから。』

ナエル 『なら、この先を教えてくれはしないでしょうか。』

ミエル 『それは出来ません。あなたが築くのです。』

ナエル 『辛いですな。だが、私は変わらなかった。』

ミエル 『そうですね。最後まであなたのままでした。』

ナエル 『ミエル…愛しています。』

ミエル 『はい。いってらっしゃいませ。』

ナエル 『去った後に、涙は流さないでください。それでは…』



ナエルはその場を去った。
彼は何らかの決心をしていた。


ミエル 『涙を流さないことなんて……できるはずありませんよ……っ…』


彼が決心に至るまで………


ナエル 『何故、サーネルは理解してくれない。
また役割か。降りよう。』

ナエル 『人の悪態……自然の減少…。見るのが辛いな。神が理解できない。』


??『そうね。』


ナエル 『 (誰だ!?) 』

カナ 『名前なんてどうでもいいわ。』

ナエル 『さ迷い魂か。何が心残りなのですか?』

カナ 『愛する人を神様にとられたこと、かしら。』

ナエル 『どういうことですか?』

カナ 『あたしは神様の使徒、天使とずっと昔に恋をしたの。でも、神様の掟で天使は人間と暮らしたり感情を交えたりしてはならなかった。掟を破る覚悟であたしを愛した彼は神に連れていかれたわ。その後、あたしは交通事故にあってしまいこうしているの。』

ナエル 『そうですか。あなたのお望みはありますか?』

カナ 『愛する人が帰ってくるのが1番だけど、無理だとわかってる。強いて言えば、神を殺したいわ。』

ナエル 『神には神の気持ちがあります。あなたにはあなたの気持ちがあります。神を殺す理由には未だ満たされません。』

カナ 『なら、このままにしておいて。聞いてもらっただけで結構よ。』

ナエル 『私には役割があります。あなたを救うことも私の役目です。また会いにきます。では。』



中編、End。

文章そのまま引き続き後編へ。