開放


『レマル』………創世と呼ばれる事件が起き、同刻にあらわれた『ソル』。

未だ謎の存在。


それは何なのか。

情報を得ることはできない。

何故ならば、『レマル』と呼ばれる怪物を退治しに言った、子供や大人は必ず我を失って帰ってくる。

聞くに聞けない。

まさに奇跡の生還。


人々は、『化け物だ…』、『人間じゃない…』、『気持ち悪い…』、『本物の悪魔だ…』などと噂している。

それも情報なのか。


謎のまま………………。


しかし、ユウ=アレクゼントは、そんな謎と出くわしていた。


彼が八歳の頃……そう、閃光……。

彼だけが体験した謎の出来事。

側にいたミュウでさえ、知らない出来事。

それは、ユウが川で『レマル』とも言うべき、奇妙な姿をした怪物と出会っていたこと。


謎の話し。

何故ならば真相はユウしか知らない。


これは創世に伏せられた、謎の事件。

閃光の盾。


この話には触れないことにしよう。

されど、物語は成り行きを知りたがる。

閃光の盾はまた後程の話。


主人公ではない、ただの存在、ユウ=アレクゼント。


彼は幼い頃から、いじめに会って生きてきた。

長く長く……そして今も。

彼は気が弱く明るく泣き虫な少年だった。
友達もミュウしかいなかった。


それでも彼は生きてきた………やがて、創世から十四年の月日が流れた…………。



ユウは学校でいじめに遭いながらも、普通に明るく泣くそして笑う、子供の生活を送っていた。


しかし、運命られた出来事が起こることを知らなかった。


彼は、この日を境に人生が変わることになる。





ユウはいつも通り、学校でいじめられていた。

しかし、今回は酷かった。

『ソル』を使えないユウは、周囲の物でしか身を守れない。

教室で、三人の男の子がユウをいじめていた。


最近、授業習ったらしく、『ソル』で具現化し、発行の縄を作り、ユウの両腕と両足を縛る。

そして……ユウは教室の掃除箱に閉じ込められた。


怖いよ……


ユウの心の声。


男は言った。


『キモいんだよっ。その姿見てると鳥肌が立つ!おまえはそこで生活しろ!』


いじめっ子にとっては何気ないただの発言だったのだろう。


しかし、彼は逃げられない運命にある。

定められた歯車……


ユウはずっと掃除箱の中で怖がっていた。


その時、声がユウの心に響いた。


『悔しいか?』

ユウは不思議だった。


状況が理解できなかった。

ユウ 『誰か…いるの?そこなの……?』


再び声が響いた。

『力を与える。あの三子を見返してやりたくないか……?』


ユウは言葉の意味を理解できなかった。

なにせ、声がどこから聞こえてくるのかすら不思議なことだったから。


ユウは考えた。

『見返す』この言葉を理解できなくて、心でそれが何を示すのか判断できた。

ユウは力をもらい、三人と喧嘩しようと思った。

これはユウの甘い思考だった。


『力が欲しいか?』


ユウは答えた。


ユウ 『欲しい…』

『よかろう!ならば、心を闇にされ!目を閉じ、思うのだ! 闇の力をくれと!』


ユウには言葉の意味が理解出来なかった。

けれど、ユウは見返したい意思で決断していた。


ユウ 『僕に闇の力を…!』


翌日、三人のクラスメイトは行方不明になった。

ユウも、あまり記憶に覚えがないみたいだった。


けれど、ユウは何か違和感を感じていた。


そして帰宅。

ユウは部屋にこもり、考えた。


あの声はなんなだったろう、と。


そしてまた学校が始まる。


だが、その生活もあと僅かだったのだ。